書くべきものは雑文と呼ばれるテキスト(カクテキ本館)

日記でもなく論説でもなく、雑文のようなものを書いていきます。

電話が嫌いだ

 私は電話が嫌いだ。かけるのも嫌いだし、受けるのも嫌いだ。電話などこの世から消えてなくなればいいと思っている。

 先日、増田だったか、「電話で仕事の話をするのは失礼だ」というようなエントリを見かけて、今どき直接会いに出かけるべきとは古風なことを言うものだと早合点して読んでみたら全然ちがった。「電話は相手を電話口に拘束するし、記録も残らないので、LINEかメールにしろ。とにかく電話かけてくんなうっとうしい」という内容だった。それはそれでいかがなものかと思わないでもないが、同意のコメントが多かったことから、世の中には電話嫌いの屁理屈野郎が結構いるのだと少し安心した。

 そうなのだ。電話をかけてこられると、なにをしていようと相手をしないとならない。話の腰は折られるし、会議は中断させられるし、ドーナツは飲み込まないといけないし、カップ麺にお湯を注いだ直後など最悪である。どんどん伸びる麺を見つめながら電話の相手をすることほど悲しいことはない。そしていったん電話に出てしまえば、メールを一読して放置するように、受話器を取って返事をしただけでそのまま黙っているというわけにもいかない。そんな逆無言電話、かけた方も不気味だろう。こっちだって申しわけなくてつらい。

 電話で会話を続けるのも苦手である。用件が済んでも雑談を続けようとする相手など最悪である。なんの話をすればいいのだ。道端で会った相手にするように「いいお天気ですな」と言ってみても、「こっちは雨降ってますが」と言われたりする。知らんがな。仕方ないので「カップ麺もずいぶん伸びてしまいました」と言おうとするが、向こうにしてみればそれこそ知らんがなであろう。みんな電話で何を話しているのだろう。

 電話をかけるのはもっと苦手だ。初めて連絡する客先だったりすると必要な電話でも、かける決心がつくまで何時間もかかる。社会人としてどうなんだそれ。

 まず、相手が電話に出てくれるかどうかもわからない。機嫌の良し悪しもわからない。自分が相手を怒らせずにすむかどうかもわからない。ものすごく緊張する。

「もしもし、真高です。今お電話でお話できますか。カップ麺とか大丈夫ですか」

 それではこっちの正気が疑われる。カップ麺からは離れた方がよいかもしれない。

 ことほどさように、私は電話が苦手で嫌いである。「TVチャンピオン 電話嫌い王選手権」があれば、近畿地区予選くらいなら突破する自信がある。

 なのでみなさん、私にあまり電話をかけてこないでください。あるいは、私にあまり電話をかけるよう期待しないでください。もしくは、伸びてしまったカップ麺をおいしく食べる方法を教えてください。